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K中隊の日々

海兵隊 部隊編成(2)MEB編

明けましておめでとう御座います。
2014年最初の記事は、海兵隊の遠征旅団(MEB)について紹介します。

■MEB(Marine Expeditionary Brigade)について
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海兵遠征旅団すなわちMEBは、「MEUより大きくMEFよりは小さい」規模の部隊です。
そもそも海兵隊が編成する部隊はおおまかに3種類(MEF、MEB、MEU)で、現在ではMEUを除いて、MEF及び今回紹介するMEBは常時展開はしていません。
また「MEB>MEU」という組織規模から分かる通り、湾岸戦争等ではMEUをMEBに吸収し部隊行動を行う事もあります。

これより規模の小さいMEUについてはこちらの記事を参照頂くとして、この記事ではMEBならではの特色について述べたいと思います。

(本記事は下の「続きを読む」からご覧下さい)


■MEBのいま、むかし
現在では1MEF(西海岸)隷下に1MEB、2MEF(東海岸)隷下に2MEB、3MEF(沖縄)隷下に3MEBの3個の司令部部隊が常設され、必要とされれば各MEF隷下の部隊を併合し作戦行動を行えるようになっていますが(※3MEFは例外アリ)、92年頃までは5,7MEB(1MEF)/4,6MEB(2MEF)/9MEB(3MEF)の5個MEBが存在し、その後2000年過ぎまで組織変貌を遂げながら現在の3個MEB体制となっています。
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最近で海兵隊が積極参加した戦争といえば湾岸戦争、イラク戦争、アフガン戦争とありますが、この内湾岸戦争・イラク戦争においてMEBが活用されています。
イラク戦争では侵攻時に1MEFの隷下として、第2海兵師団で構成された2MEBが本隊とは別働隊として組織されています。
また湾岸戦争はまさにMEBが主役の戦争でして、1,7MEB及び4,5MEBの4個MEBが組織・積極的に活用されました。

■2種類のMEB
海兵隊である以上基本的には上陸戦をメインとしますが、旅団規模の大きさともなると機動力はMEUよりも劣ります。
特に常時前方展開式のMEUと異なり、MEBは戦時に各MEF隷下の部隊を大隊単位で招集して組織するので、本国で部隊を整え、装備を乗せ、出航してから現場海域に着くまでそれなりの時間を要します。
その為湾岸戦争では、「揚陸艦に乗るMEB」とは別にもう一つの展開方法をする2種類のMEBが活用されました。

■揚陸艦展開式MEB
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主に揚陸艦で行動し、敵地への上陸戦をメインとする海兵旅団です。
簡単に言ってしまえばMEUを大きくした上陸専門部隊と言えます。
91年湾岸戦争では幾つか上陸作戦が立案されましたが、結局本格的な敵地上陸戦は行われませんでした。
■RLT(Regimental Landing Team)
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(赤いテーピングは上陸部隊の証)
RLT、すなわち連隊上陸チームとは、揚陸艦展開式MEBを構成する上で主軸となる上陸部隊です。
MEUが主軸とするBLTは大隊規模ですが、これを連隊規模まで拡大させた規模になります。
規模の大きさでは「RLT>BLT」となるので、湾岸戦争時の5MEBでは「2/5と3/5をRLT」「3/1をBLT(ヘリボーン)」と分割して活用されたようです。
(※)2/5=第5海兵連隊第2大隊 3/5=第5海兵連隊第3大隊 3/1=第1海兵連隊第3大隊

ちなみに湾岸戦争では、4MEB及び5MEBの2個MEBが揚陸艦展開式MEBとして海上展開しました。

■MPS展開式MEB
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(画像は陸軍ですが...)
「揚陸艦に乗るMEB」とは異なるMEBがこちら、「MPS展開式MEB」です。
MPS(Maritime prepositioning ships=海上事前集積船隊)とは言わば自力で動く軍の倉庫で、常に世界中の拠点を行き来して展開に備えています。海兵隊のMPS1隻辺り1個旅団分の装備品が積まれていると言われます。

MPS展開が揚陸艦での展開よりも優れているのは、展開に際するスピードです。
というのもこの展開方法、自国で兵力・装備品をイチから積み込み戦地へ向かう揚陸艦式とは異なり、兵力以外の装備品(車輌等)が前もってMPSに積まれている為、初期段階で時間をかけずに装備品を送る事が出来るからです。
91年湾岸戦争では、「兵力」はチャーターされた民間航空機でサウジに送られ、「装備品」は常時世界展開しているMPS(事前集積船)が直ちにサウジの港に向かい、1個旅団分の装備品を降ろし、数日で兵士への受渡しを完了しました。
このような展開方法を行えるのは米軍ならではの曲芸ですが、1個旅団規模の重装備を早期に戦地に展開する極めてスマートな展開方法と言えるでしょう。
ちなみに映画「ジャーヘッド」で旅客機からサウジに降り立つシーンがあるのも、この展開方法ならではの特徴です。

また湾岸戦争では、1MEB及び7MEBがこの展開方法で早期に内地展開を行いました。

このように湾岸戦争では2種類のMEBがそれぞれの展開方法で活用されました。
しかしながら湾岸戦争終結を境にMEBの数は縮小され、現在では3個となっています。
対して2000年代に入り「国と国との戦争」より「対テロ戦争」へと主軸が移り、より小型で機動性の良いMEU、またはRCT(連隊戦闘チーム)が重宝されているように思えます。



■脚注
MEB=海兵遠征旅団
MEF=海兵遠征軍
MEU=海兵遠征隊
RLT=連隊上陸チーム
BLT=大隊上陸チーム
MPS=海上事前集積船隊(または海上事前集積船)
  1. 2014/01/07(火) 02:10:10|
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