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K中隊の日々

海兵隊 部隊編成(3)RCT編

■RCT(Regimental combat team)について
RCTとは連隊戦闘団の事で、名称の通り一個連隊規模の歩兵力を有する戦闘団です。
具体的には3個から4個の歩兵大隊を主軸とし、戦闘団によってはこれに軽装甲偵察部隊や工兵、兵站を組み合わせて運用される場合もあります。
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部隊規模ではMEB(海兵遠征旅団)より僅かに小さい規模となるので、(MEB>RCT>MEU)となります。その為MEBの指揮下としてRCTが組織・運用される事もあります。
RCT自体はMAGTFのバリエーションではありませんが、この単位は昨今のアフガン治安戦で最も用いられている部隊単位です。

(本記事は下の「続きを読む」からご覧下さい)


■RCTのナンバリング
RCTを表記する際によく見られる「RCT1(例)」というナンバリングですが、基本的にこれは基幹大隊を擁する連隊本部の連隊番号が割り当てられます。
例えばイラク侵攻時のRCT1では、第1海兵連隊本部指揮の元、基幹部隊となる「第1海兵連隊第3大隊(3/1)」を基に、第3海兵師団の「第4海兵連隊第1大隊(1/4)」、第4海兵師団の「第23海兵連隊第3大隊(3/23)」を増強して計3個大隊を完成・運用されました。
※但し第4海兵連隊は実質的には第1師団の歩兵力で運用される為、この場合1/4に割り当てられていた部隊が何処の大隊かは不明である。

■イラク侵攻時の運用
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2003年のイラク侵攻時には、前方展開した1MEF(海兵遠征軍)の主力部隊として、1stMD(海兵師団)内にて1,5,7の3つのRCTが編成・運用されました。
この際の編成は、RCT1は前項の通りの編成、RCT5では「1/5 2/5 3/5」の3個大隊、RCT7は「3/7 1/7 3/4」の3個大隊で構成されました。
また移動力としてAAV-7を運用する水陸両用大隊とセットで運用され、バグダット到着まで機械化部隊として作戦を行いました。
侵攻中はRCT5及び7が西側から、RCT1は東側から分かれて北上し、最終的には合流してバグダットへ入りました。
因みにドラマ「ジェネレーションキル」では、主人公達はRCT1に属する偵察部隊である旨が描かれています。史実でいうと、恐らくはRCT1に組み込まれた第3軽装甲偵察大隊のデルタ中隊と思われます。

■アフガン戦争での運用
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海兵隊はそれまでイラクを主戦場として展開していましたが、
2008年頃からは未だタリバンの強い支配下にある南部のヘルマンド州を中心に主力が派遣され、2010~2012年には概ね1個師団規模の海兵隊がキャンプ・レザーネック周辺に展開しました。

■編成と任期
アフガンにおけるRCTの編成は、前述の通り概ね3個から4個の歩兵大隊を有し、RCTによっては軽装甲偵察大隊や兵站部隊を組み込んで編成されています。
2個RCT体制の時には、全体で概ね7個の歩兵大隊を有していました。
各歩兵大隊の任期は約半年(6ヶ月)で、各大隊ごとに異なる着任日から6ヶ月間展開し、任期が終了したら次に派遣される大隊へと引き継いで帰国します。

■連隊本部とRCTのナンバリング
前述の通りRCTのナンバリングに割り当てられる番号は、その連隊を統括する連隊本部の連隊番号と同一となります。
本来であれば「連隊本部」と同じ連隊に属する「歩兵大隊」が基幹となり、周りに他部隊を加え「増強」するのですが、アフガンでは絶対数的な人員不足もあって、そうなっていないのが現状です。
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例えば2010年9月~11年8月に展開したRCT1は、この期間第1海兵連隊本部が指揮部隊であったのでRCT1の名称で運用、11年8月頃からは第5海兵連隊本部が前任から部隊を引き継いでRCT5として運用していました。
また2011年2月頃から展開を始めたRCT8は、第8海兵連隊本部が指揮部隊としてRCT8を統括、翌年1月頃に第6海兵連隊本部へ引き継ぎ、その後RCT6として部隊が引き継がれました。
このように連隊本部は約11ヶ月ごとの任期であるのに対し、主力となる歩兵大隊は6ヶ月ごとの任期である為、ローテーションをこなす内に連隊本部は全く違う連隊に属する大隊だけを運用する事になります。

一例ですが、11年8月~12年7月まで展開していたRCT5(指揮は第5海兵連隊本部)の場合、
前任から引き継いだ8月時点では「1/3 1/9 3/6」の3個大隊を運用、11月頃から「3/3 2/6 2/9」に変わるも、どちらも第5海兵連隊の部隊は着任していません。

■2009年以降のローテーション
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・2009~2010年
2009年5月頃、それまで一時的に派遣されていたSP-MAGTFに代わり、RCT3(4個歩兵大隊)を擁する2ndMEB(TFレザーネック)が1年間展開しました。また時期は不明ながら、この1年の間にRCT3から、RCT7へと主力部隊を交代しています。
2010年4月頃には前任の2MEBと交代する形で、1stMD(海兵師団)が指揮権を引き継ぎました。この際、既に展開していたRCT7に加え、RCT2が新規で編成され、2個RCT体制が整っていたと思われます。
また同年9月にはRCT7の連隊本部の交代が行われ、名称がRCT7→RCT1に変更。以後RCT1とRCT2の2個体制になっていたと思われます。

・2011年
2011年1月頃、兵力を補う為(?)26MEUとして展開していた3/8BLT(大隊上陸チーム)を急遽RCT8に組み込んでいます。この大隊はおおよそ3ヶ月間アフガンに展開した後、別の大隊に任務を引き継いで撤退しています。
2月頃にはRCT2の連隊本部が交代し、名称がRCT2→RCT8に変更。以後8月までRCT1とRCT8の2個体制となります。
8月にはRCT1の連隊本部が交代、名称がRCT1→RCT5へ。以後RCT5とRCT8の2個体制が翌年まで続きます。

・2012年
2012年1月にはRCT8の連隊本部が交代し、名称がRCT8→RCT6に変更。以後7月までRCT5とRCT6の2個体制となります。
同年7月頃、RCT5はもう一つのRCT6に指揮権を引き継ぎ撤退。この時RCT5の擁する3個歩兵大隊は既に任期を終えていて、連隊本部のみとなっていたと思われます。実質的には2個RCT体制の縮小・一本化が行われたものと思われます。
以後7月から約3ヶ月はRCT6のみの1個体制で運用。
同年10月には連隊本部の交代で名称がRCT6→RCT7に変更されています。

・2013~現在(2014年1月時点)
12年10月より唯一のRCTとして運用されていたRCT7ですが、2013年7月には連隊本部がその任期を終えて撤退しました。その為現在では海兵連隊本部が統括する指揮系統ではなく、別の何らかの形に変わっているものと思われます。
ではアフガンにいる海兵隊の歩兵部隊はどうなったかと言うと、恐らくですがISAFの南西地域コマンドの直接指揮下に置かれているものと思われます。その為現在では、RC-Southwestという名称にて運用されているようです。

一連の指揮系統の変更は恐らく、米軍のアフガン撤退を見据えて行われているものと推察されます。
13年7月以後、昨年12月時点でRC-southwestは概ね2個歩兵大隊まで規模を縮小しています。
また運用もアフガン国軍への教育等、支援任務に主軸を移しつつあるイメージを受けます。2011~2012年頃の1個師団規模の展開に比べれば、明らかに縮小へと向かっています。
アフガンから海兵隊が完全撤退する日も、そう遠くないかもしれません。
  1. 2014/01/26(日) 22:59:21|
  2. US Military
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