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K中隊の日々

[考察] NYPDのボタンについて

皆さま大変ご無沙汰しております。
気がつけばこのブログも最終更新がさ...3年前?!で時の流れの速さを実感しております。

そしてTwitter環境に慣れるとブログなど投稿する気が1ミリも起きなくなってしまう訳ですが、年明け早々インフルに倒れた私は週末まで時間を持て余す在宅ニートと化したため、たまにはと思い一念発起こうしてブログを書き連ねております。
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さて今回はボタンに関する少しばかりマニアックな話を...
NYPDの制帽やデューティージャケット、礼服などの装飾に用いられる金色のボタンがありますが、これの制式名称をギルトボタン(Gilt Button)と言います。金色でボタン全体にNY市章の刻印が施されており、下部に西暦年4ケタが意匠されています。が、この4ケタの西暦年が実は二種類ある事をご存知でしょうか?また、このギルトボタンは一体何種類存在するのでしょうか?今日はそんなところを根掘り葉掘りしていきます。

■2種類の数字刻印
実はギルトボタンには"1664""1625"の二種類の数字刻印が存在します。

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[画像1] 大ボタンの1664刻印(左)と1625刻印(右)

写真 2019-01-24 19 51 37
[画像2] 小ボタンの1664刻印(左)と1625刻印(右)

"1664"は旧名「ニューアムステルダム」が現名「ニューヨーク」に改名された年を表し、NYの出発点といえる歴史的な年を表します。一方"1625"はニューアムステルダム(現NY)がネーデルランド連邦(オランダ)の首都(領地)として定められた年を示し、NYという都市そのものの象徴的な年を表しています。

さて、制服ボタンに話を戻しますと、大まかに"1664"1960年代?~2000年頃まで、そして"1625"2000年代以降現行で使われている仕様となり、現在制服系を購入するとほぼ全て"1625"のボタンが付属します。ただし"1664"が現在制式ではないという意味ではなく、むしろ保守用品として現在も流通しています。
NYPDの場合、ユニフォームは貸与ではなく自主購入が原則なので(勿論その分の手当があったりします)、日本のように組織がある転換点を境に仕様を一斉に変える事が困難です。また代々警察官を継いでいる家系などは、親や祖父母からユニフォームを譲り受けて運用している場合もあり、これが実際に認められているためそういった古いユニフォームの補修用として一定数「旧規格の」部品がプールされているようです。これにはもちろん1664ボタンも含まれます。

余談ですがNY市の公式な市章は1915年に「1686→1664」、1977年に「1664→1625」と西暦年を変更していますが、制服のボタンはあまりこの通りには変更されていないようで、例えばWW2戦前戦中頃ですと「市章のみ/年刻印なし」の仕様を用いてますし、2000年代に入っても"1664"刻印のボタンが主流だったように、ユニフォームセクションの意匠指定はまた別に意図されたものである可能性が高いと思われます。


■ボタンの種類
"1664"と"1625"の二種類が現存するというお話をしたばかりですが、さらにボタン自体に複数の種類が存在します。
用途別に「制帽用」「小」「中」「大」の4種が存在し、「制帽用」は裏側が針金による枝足の仕様、「小」「中」「大」は裏側が真鍮一体構造のループとなっており、通常縫い付けないしダミーボタンとして運用します。なお「制帽用」「小」のボタン自体の寸法は全く同じものです。
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[画像3] 小ボタン(左)と大ボタン(右)

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[画像4] 制帽用ボタン

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[画像5] 制帽用ボタン裏、枝足の部分

運用上では「小」のギルトボタンが最も使われており、ウエストレングスタイプのデューティージャケットですと全てこのボタンで統一されています。一方最も出番が少ないのは「中」のギルトボタンで、一部ヒップレングスタイプのデューティージャケットや礼装に用いる事があるようですが、昨今ほとんど使われておりません。「大」のギルトボタンは多くは礼装用で用いられるため、意匠も通常のボタンより豪華にあしらわれており、"SIGILLVM CIVITATIS NOVI EBORACI"の標語が追加されたより制式な市章のデザインとなっています。また「小」のボタンにも近年この文字入りの仕様が存在します。
写真 2019-01-24 19 55 28
[画像6] 標語入りの小ボタン


■ボタンの色(金/銀)
さらに(笑)、色違いで銀色のボタンが存在します。こちらは正規警察官ほどの執行権を持たないトラフィックエージェントやスクールセーフティ、クロッシングガードといった限定一般職で運用されます。金色銀色で警察官か否かを識別させるというのは昔から一般的なようで、現在も襟章は「金色が警察官ないし一般職」「銀色が一般職」とされています(AUX補助警察官は警察官と同等の着装を用いる)。
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[画像7] 小ボタンの銀(左 一般職用)と金(右 警察官用)

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[画像8] 銀色の制帽用ボタン

この銀色のボタンは警察官用(金色)の仕様と全く同じで「制帽用」「小」「中」「大」の4種類が存在し、刻印年も1664と1625の2種、つまり合計8種類が存在します。
ただし!困ったことに、必ずしもトラフィックエージェントやスクールセーフティーの執行官がこの銀色ボタンを用いているかというとそうでもなく・・・厳密なレギュレーションは不明ですが、道行くエージェントを見るに金・銀どちらの仕様も完全に混在状態となっています。

これはジャケットや礼装自体が警察官用と共用であるのが原因で、ディーラー側もいちいちボタンの付け直しまで確認が及ばないのか特に気にしていないのか、金色のボタンを用いてトラフィック用として販売されている事も珍しくありません。昨年渡米でディーラーを訪れた際も、販売時点でトラフィック用制帽のボタンが金・銀見事に混在していているのを見つけてしまったので、実際には販売側、本職側もあまり気にしていないような気がします。警察官が銀ボタンを付けるという事は100%ないですが、その逆はOKというのが不思議な感じですね笑

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ということで久々の更新はややマニアックな内容でしたがいかがだったでしょうか。
今後もおもにTwitterを更新していくことになりそうですが、こちらも気の向くまま投稿していきますので、とても長い目で()お付き合い頂ければと思います。
  1. 2019/01/24(木) 22:22:09|
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